5分でわかる!!ダクトサイズの概略計算方法~等圧法編~

空調設備

「ざっくりダクトサイズを選定しておさまりを確認したい」

今回はそんな人のために、今回はダクトサイズの選定には一般的によく使われる等圧法(等摩擦法)を用いた概略計算方法の説明を極力わかりやすく説明していきます。

1.等圧法(等摩擦法)ってどうゆう方法?

等圧法とは記載のとおりダクト内の圧力(静圧)を一定になるようにダクトサイズを決定する方法になります。

ダクト内の圧力(静圧)が一定になることでダクトによる摩擦損失が一定になることから等摩擦法とも呼ばれています。

静圧と動圧について説明はまた別の記事で解説していきます。

2.等圧法によるダクト径の求め方

等圧法のダクトサイズの選定は下記のダクト流量線図を使用します。
この表は次の4項目の値のうち2つの値がわかることほかの2つの値がわかる図になります。

グラフ参照:ダクト式換気扇の圧力損失計算(等圧法)の解説と摩擦抵抗線図の見方 (architerial.jp)

必要な数値は
・摩擦損失 R’[Pa/m](0.8~1.5Pa/m)
・風量[㎥/h]
・ダクト直径[㎝]
・風速[m/s]

排煙などの特殊なダクトでない限り、摩擦損失は1.0Pa/mで設計します。

また、風速が高くなりすぎると騒音の発生原因になるため、摩擦損失は0.8~1.5Pa/m程度で計算されることもあります。

各用途の風速の許容値を以下にまとめておきます。
(参照:空気調和設備計画設計の実務の知識 P.215)

3.ダクトの圧力を一定に保つってどうやるの?

とはいってもダクトの中の圧力を一定にするってどうやるのと思う方もいるかもしてません。

結論から言うと、風量に対してダクトを小さくして圧力を保っています。

水道とホースに例えて考えてみましょう。
ホース=ダクト
風量=水量
圧力=ホースから出てくる水の勢い

水道から水を出す量が増えればホースの先から出る水の勢いも上がります。
逆に水の量が減ればホースの先から出る水の勢いも落ちていしまいます。
そこでホースの先をつまむことで、水の勢いが強くなります。

そこでダクトに話を戻します。

空気はファン→ダクト→吹き出し口と空気が流れる際に、ダクトを分岐することで吹き出し口を通るごとに風量が落ちてしまいます。
そこで、先ほどのホースの先をつまむようにダクト径を落とすことでダクト内の圧力を保つことが可能になります。

4.ダクト径の決定 計算例

換気必要風量:1,500㎥/h
アネモ吹き出し口:300㎥/h・個
圧力損失:1.0Pa/m

摩擦損失を1.0と各部分による風量をダクト流量線図に照らし合わせることで各所の風速とダクト径を出すことが可能です。

風量1500㎥/hの箇所であれば風速5m/s、ダクト直径320㎜になります。

5.まとめ

等圧法によるダクト径の決定をまとめると以下になります。
・ダクトの流量線図を用意する
・摩擦損失 R’[Pa/m](0.8~1.5Pa/m)、風量[㎥/h]、ダクト直径[㎝]、風速[m/s]でわかる数値を2つ出す。
・出した数値をグラフに当てはめて数値を読み取る

この方法はあくまで概算的な算出方法になります。初期段階の計画などに使用してみてください。

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