換気方式 自然換気と機械換気の違い、換気の必要性は何?

空調設備

室内の二酸化炭素や揮発物質などを外に排出し、室外から新鮮な空気を取り入れる建物に必須な設備です。

近年は新型コロナウイルスの影響もあり、換気による注目度も高くなっています。

今回は換気方式の「自然換気」と「機械換気」について解説していきます。
また、合わせて換気の必要性についても説明していきます。

換気方式

換気方式は換気ファンを使用する「機械換気」と機械を使用しないで窓などの開口部のみで換気を行う「自然換気」の2種類あります。

換気方式 自然換気とは

自然換気とは一昔前の戸建て住宅などで使用されており、窓を開口することによって換気を行う方式です。(下図参照)

外の気圧差によって風を発生させることで空気の循環を行う方式になります。
空気は気圧の高い所から低いところに流れる性質があります。
そのため、上の図であれば右側の窓側が気圧が低くなっているため、左から右に空気の循環が発生します。

ちなみに、煙突のように部屋の低いところと高いところに窓を設けることで換気効率を上げることが可能です。
よく、階段室の最上部の熱気を逃すために利用される方式です。

換気方式 機械換気とは

機械換気は換気ファンを利用することで換気を行う方式です。

換気ファンの取り付ける位置によってシステムが異なり、換気する場所の性質によって使い分けます。

第一種換気

第一種換気は給気と排気両側に排気ファンを使用する換気方法です。(機械x機械)

給排気ともに換気ファンを利用するため、エアバランスがよく、効率的な換気が可能です。

デメリットとしては給排気両側に換気ファンを設置するため、第二・三種換気よりもコストがかかります。

第二種換気

第二種換気は給気側に換気ファンを取り付け、排気側にガラリなど開口を設ける方式です。(機械x自然)

給気側にのみ換気ファンがあるため、風船の空気入れのような状態になり、室内が正圧になります。

そのため、クリーンルームなど外部からの不純物を取り入れたくない部屋に使用されます。

排気側を成り行きに任せるため、排気口に遮蔽物などあると換気効率が落ちる可能性があります。

第三種換気

第三種換気は排気側に換気ファンを取り付け、給気側にガラリなど開口を設ける方式です。(自然x機械)

排気側に換気ファンを設けるため、部屋の空気を吸い出されるため、部屋内が負圧になります。

そのため、トイレや飲食店の厨房など部屋内発生するにおいや水蒸気などを周囲の部屋に広がるのを防ぐ性能を持っています。

給気側を成り行きに任せるため、給気口に遮蔽物などあると換気効率が落ちる可能性があります。

換気の必要性

昔の日本家屋は気密性がなく、隙間風がよく入っていたため常時換気は不要でした。

建築技術の成長により気密性の高い建築物が増えました。
そのため、建材からの揮発物質や人から発生する二酸化炭素、汚染物質が部屋内に滞留し、人体に悪影響を与えたため常時換気(24時間換気)が必要になりました。

まとめ

自然換気と機械換気の第一~三種換気について説明していきました。

〇機械換気の特徴
・第一種換気
安定した換気が可能だが、コストがかかる
・第二種換気
部屋内が正圧になるため、クリーンルームなどの清潔性の必要な場所に適している
・第三種換気
部屋内が負圧になるため、トイレのようなにおいなどが発生する部屋に適している

換気の性質を正しく理解し、適切な換気計画を行いましょう。

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