防火区画貫通処理 鉄管1mって必要なの?

法律関係

度々、ビルや倉庫の火災がニュースで取り上げられております。

建物は火災になると規模が大きく密集していることも多いので消防法で厳しく、火災を予防するルールが細かく決められています。

今回はその中で防火区画の貫通処理について説明していきます。

設備初心者にとっては何が何だかみたいな内容です。
「なんで必要なの?」
「どんな処理をすれば正解なの?」

と思う方もいるかと思います。
本記事では極力かみ砕いてわかりやすく説明していきます。

目次

1.そもそも防火区画ってなに?
2.防火区画貫通処理
3.処理方法の確認
4.困ったときの対象法
5.まとめ

1.そもそも防火区画ってなに?

防火区画とは一定時間、火災時に火が燃え広がるのを防ぎ、避難しやすくするするために設ける区画になります。

そのため、避難階段など人が避難するのに必要な通路の周りやエレベーターなどほかのフロアにまたがった空間つながった場所などに設けれます。

捕捉になりますが消防法の考え方を知るといろいろ応用が利くので知っておきましょう
消防法は基本的に以下の項目を意識して作られています。

・火災を起こさないようにするにはどうするべきか
・火災が起きた時に如何に被害者が少なく非難が可能か
・火災が起きた時に如何に消防隊が消火活動が可能な対応になっているか

2.防火区画貫通処理

建物の天井内や床下などには配線や配管・ダクトが通っています。
配線や配管が隣の部屋に行くのに壁を貫通して通っていきます。

そのため、防火区画を貫通する場合、火の回りを抑える壁に穴をあけるためそこから隣に火が回りこんでしまいます。
それを防ぐのために防火区画の貫通処理が必要になります。

「壁から両端1m以上を鉄管を突き出しを行い、貫通部をモルタルで埋める」

というのが基本的な処理の仕方になります。
 

しかし、壁の隣が1mもない狭い部屋の場合鉄管を1m以上突き出すことができないという問題あります。

そこで同等の性能を満たしていると国土交通大臣が認定を出した工法を使うことで鉄管を使わずに区画貫通処理を行うことが可能になっております。

3.処理方法の確認

実際にどの工法を使用するのがよいかを考える際に施工側の場合、設計図にどの工法を使用したら良いのか記載されている場合があるので確認してみましょう。

特に記載のない場合は各メーカーで調べてみましょう。
よく使用される区画処理メーカーのHPも貼っておきますので参考にしてください。

積水化学
https://www.sekisui.co.jp/fp/pass/index.html

日東化成工業
https://www.nitto-kasei.co.jp/fire_protection

因幡電機産業
https://www.inaba-denko.com/ja/product/fp/

 

認定工法は以下の内容に注意して確認しましょう

1.どこで使用可能か(床、壁)
2.使用できる壁の種類は何か(RC壁、中空壁、ALC、片壁など)
3.使用できる設備材料は何か(配線、配管、ダクト、それぞれの材質など)
4.配線の場合は占有率は問題ないか(開口に対して配線がどれくらいの割合で使用可能か)
ちなみに認定番号のみでも1番のどこで使用可能かの判別が可能なので覚えておいてください。

例:認定番号:PS060WL-0269

認定番号の真ん中に記載されているアルファベットがWLであれば壁の工法
FLであれば床の工法になります。

4.困ったときの対処法

認定工法でどれを使用したらいいのかわからなくなった際はとりあえず区画処理メーカーの方に相談してみましょう。
今回行う条件を教えてあげればそれに合う処理方法を教えてくれます。

また、どうしても対象の認定工法がない場合は次の項目を検討しましょう

・ルートの変更は可能か
・材質を変えれば対応可能にならないか
それでもダメな場合は所轄の消防署に相談に行きましょう。
可能であれば代替え案をその時に持っていくと話が進みやすいのでお勧めです。
 
また、消防にはあらかじめどのような工法で行うのかを確認をしておくと、後々に問題になりずらいため行っておくことをお勧めします。

まとめ

今回は防火区画の貫通処理について説明しました。

問題が発生した場合はまず専門家であるメーカーに確認し、それでもダメな場合は所轄消防に確認を行いましょう。

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